ブルノ・デュシェン
ソヴァージュ・ド・ココペル オランジェ 2024
750ml 税込価格 17,600円
会員価格 14,700円 → 会員登録はこちらから
2002年から続く樽。その時間を飲むワイン
このワインの物語は、2024年ではなく、2002年から始まります。
南フランス、バニュルスでワインを造るブルノ・デュシェンが、2002年のグルナッシュをひとつの樽に入れました。
木樽でワインを熟成させていると、ワインは少しずつ蒸発して量が減っていきます。
通常のワイン造りでは、減った分だけ同じワインを注ぎ足し、樽を満たした状態に保ちます。
空気に触れる部分をできるだけ少なくし、ワインが過度に酸化するのを防ぐためです。
ところがブルノは、あえてワインを補充しませんでした。
ワインが少しずつ蒸発すると、樽の中には空間が生まれます。
そこに空気が入り、ワインはゆっくりと酸素に触れながら熟成していきます。
さらに「Cave 9」が完成すると、その樽を太陽の当たる上のテラスへ移しました。
そして樽から100Lほどを取り出し、そこへ新しいグルナッシュのジュースを100L加え、再び発酵させます。
その後も2〜3年に一度、一部を取り出して新しいワインを加える。
白、ロゼ、赤。
さまざまなワインが加わりながら、樽の底には2002年から続く澱が今も残っています。
20年以上、ひとつの樽の中で古いワインと新しいワインがつながり続けています。
ソヴァージュ・ド・ココペルは、そんなブルノ・デュシェンの「時間」を味わうワインです。
「ランシオ」とは?
ソヴァージュ・ド・ココペルは、「ランシオ」と呼ばれるタイプのワインです。
聞き慣れない言葉かもしれません。
一般的なワイン造りでは、ワインが必要以上に酸素に触れないよう注意しながら熟成させます。
一方、ランシオはその反対。
あえて酸素に触れさせながら、長い時間をかけて熟成させることで生まれる独特の風味を楽しむワインです。
南フランスのルーションなどで古くから見られる熟成方法で、樽を完全に満たさずに熟成させたり、太陽や気温の変化の影響を受ける環境に置いたりすることがあります。
時間が経つにつれて、若いワインにある瑞々しい果実の香りは少しずつ姿を変えていきます。
ドライフルーツやナッツ、キャラメル、スパイスなどを思わせる、複雑な熟成香へ。
つまりランシオでは、酸化を単なる劣化として避けるのではなく、酸素と時間によって生まれる味わいそのものをワインの魅力として楽しみます。
ソヴァージュ・ド・ココペルの場合は、さらにブルノ独自の方法です。
2002年から続く樽を太陽の当たるテラスに置き、一部を取り出しては新しいワインを加えながら、20年以上育て続けています。
伝統的なランシオの考え方を背景にしながら、ブルノらしい自由な発想で造られたワインです。
2002年から、継ぎ足しながら育てる
始まりは2002年のグルナッシュ100%。
木樽に入れた後、蒸発して減ったワインをあえて補充せず、そのまま熟成させました。
そのため、樽の中に少しずつ空間が生まれ、ワインは自然に酸素に触れていきます。
その後、ブルノは樽から約100Lのワインを取り出し、そこへ新しいグルナッシュのジュースを約100L加えました。
そして、また時間をかけて発酵・熟成。
2〜3年に一度、同じように一部を取り出し、新しいワインを加えることを繰り返してきました。
新しいワインを加えて、待つ。
一部を取り出して、また新しいワインを加える。
一般的なヴィンテージワインとはまったく違う方法で、2002年から現在まで時間がつながっています。
白、ロゼ、赤。だから「オレンジ」
長い年月の間に加えられてきたのは、赤ワインだけではありません。
白、ロゼ、赤と、さまざまなワインがこの樽に加えられてきました。
その結果生まれた独特の色合いから、ブルノはこのワインを「オレンジ」と表現しています。
ただし、一般的に「オレンジワイン」と呼ばれる、白ブドウを果皮と一緒に醸して造るワインとは意味が異なります。
白、ロゼ、赤。
異なるワインと異なる年代が、ひとつの樽の中で重なっていく。
ブルノ自身が長い年月をかけて育ててきた、独自のランシオです。
2002年の澱が、今も樽の中に
このワインでもうひとつ興味深いのが、樽の底です。
2002年に始まった樽の澱を残したまま、新しいワインを加えながら熟成を続けています。
そして、SO2(亜硫酸)は一切添加していません。
古いワイン。
新しく加えられるワイン。
樽の中に残り続ける澱。
そして、酸素と太陽。
それらが20年以上の時間をかけて重なってきました。
完成されたレシピに従って毎年同じものを造るのではなく、ワインがどう変わっていくのかを見ながら、ひとつの樽を育て続ける。
そこには、ブルノ・デュシェンらしい自由なワイン造りがあります。
「Sauvage」――野性的なワイン
「Sauvage(ソヴァージュ)」とは、フランス語で「野生の」「野性的な」という意味。
ブルノ自身も、このワインは難しく分析するより、遊び心を持って飲んでほしいと考えています。
20年以上にわたる酸化熟成。
新しいワインを加えながら続いてきたひとつの樽。
SO2無添加。
白、ロゼ、赤と、異なるワインが重なった独特の味わい。
きれいにひとつのカテゴリーへ収めるより、
「ブルノが2002年から育て続けている、野性的なワイン」
と考えた方が、この一本には似合うのかもしれません。
ココペルという名前
「Kokopelli(ココペリ)」はフランス語ではありません。
北米南西部の先住民文化に見られる、笛を吹く人物像として知られる名前です。
豊穣などと結びつけて語られることもあり、その独特な姿はさまざまな形で伝えられてきました。
「野性的」を意味するSauvage。
そして、どこか自由で不思議な響きを持つKokopelli。
型にはまらないこのワインに、よく似合う名前です。
さらに一年、時間を重ねた2024
今回のソヴァージュ・ド・ココペルは、前年にリリースされたものから、さらに一年熟成を重ねています。
その分、味わいにもより深さが生まれています。
「2024」と書かれているため、2024年に収穫したブドウだけで造られたワインのように思われるかもしれません。
しかし、このワインは違います。
2002年に始まった樽に、新しいワインを加えながら育て続けてきたもの。
2024年のワインというより、2002年から2024年へと続いてきたワイン。
そう考えると、この一本の面白さが見えてきます。
わずか250本
今回の生産量は、わずか250本。
容量500ml、アルコール度数15.11%です。
価格だけを見れば、決して気軽なワインではありません。
けれど、2002年からひとつの樽を20年以上育て続けてきたこと。
その一部を取り出しては新しいワインを加え、また時間をかける。
その繰り返しの先に、今のソヴァージュ・ド・ココペルがあります。
一本の中にあるのは、ひとつのヴィンテージではなく、20年以上にわたってつながってきた時間です。
konishi1924がこのワインをおすすめする理由
ヴィンテージワインは、ボトルの中で時間を重ねていきます。
一方、ソヴァージュ・ド・ココペルは、ひとつの樽の中で古いワインと新しいワインをつなぎながら、20年以上の時間を重ねてきました。
同じ「熟成」でも、その時間の重ね方はまったく違います。
2002年にブルノが始めたひとつの樽。
酸素に触れ、太陽の影響を受け、新しいワインが加わりながら、現在まで続いてきました。
2002年から続くワインを、今、グラスに注いで味わう。
価格や希少性だけではなく、その時間まで含めて楽しんでいただきたい一本です。
こんな方におすすめします
・ブルノ・デュシェンのワインがお好きな方
・ランシオや酸化熟成したワインがお好きな方
・熟成による複雑な香りを楽しみたい方
・一般的なワインとは違う味わいを経験してみたい方
・一本のワインが持つ背景や物語まで楽しみたい方
・少量生産の個性的なワインを探している方
ワイン概要
ブルノ・デュシェン
ソヴァージュ・ド・ココペル 2024
生産地:フランス/ルーション/バニュルス
生産者:ドメーヌ・ブルノ・デュシェン
表記年:2024
ベース:2002年のグルナッシュから始まった継ぎ足しによる熟成
熟成:樽から自然に減ったワインを補充せず、酸素に触れさせながら熟成。一部を取り出して新しいワインを加える工程を繰り返す
スタイル:ランシオ(酸化熟成タイプ)
SO2:無添加
アルコール度数:15.11%
容量:500ml
生産本数:約250本