ヴィンテージワインの飲み方では、ヴィンテージワインをいただいと過程して、何回かに渡って、順を追って説明しています。
本日はデカンタージュのやり方と、どのようなワインに澱が多いのかを解説していきます。

10年目の結婚記念日と聞いて、友人が2014年のワインをプレゼントしてくれた、と過程しています。

さあ、結婚記念日です、お料理の準備は整い、家族もテーブルを囲みはじめ、ワインのコルクも無事に抜けました。

デキャンタージュをはじめていきましょう。

1.瓶口の付近を明るくする準備をする。
デカンタにワインをそっと注いでいきますが、この時、澱がデキャンタに入らないようにするため、瓶の口の下を注視したいところ。
瓶口の下、少し細い部分からボトルの肩のあたりに注意して、液体の流れを見ていきます。。
  
このときに下から光を当てることで、見やすくすることができます。昔はローソクが主流でしたが、今はあまりみかけません。家庭で行う場合、下から光を当てられるのであれば、ライトで充分です。

上記の写真のように外光の入る明るい場所ではこの作業は必要ありません。


2.ワインボトルを利き手で持ち、デキャンタをもう一方の手で持つ。
ワインを移し替えていきますが、数日ワインボトルを立てて置いたので澱は下に沈んでいます。澱を舞い上げないよう、ボトルを揺らさないことがポイントです。

ソムリエ仲間からのアドバイス
ボトルを持つ時は利き手で、さらに、脇を閉めるとワインボトルが揺れにくくなります。
デキャンタを持つ手は上部の細くなっている部分を、その際に親指を立てるようにするのがコツ。ワインの口を親指に置くことにより、ボトルを持つ手が震えても静かに移し替えることが可能なのだそう。


3.デキャンタの内側の壁を伝わせるように静かにゆっくりワインを注いでいく。
ボトル内のワインの動きに注意しましょう。

ゆっくりポイント
ヴィンテージワインのため、過度にワインを酸素に触れさせたくないことから
ボトル内の澱を舞い上がらせないため


4.澱が見え始めたら、手を止めて、注ぐのを停止する。
停止した所で、ボトルに残っているワインの量を見ましょう。

澱は入れたくありませんが、ヴィンテージワインは価格も安くありません。あまり早く止めてしまうとボトル内にワインが沢山残ることになりもったいない。
理想はボトルを立てた時、下から3㎝、プラスマイナス1cm、といったところでしょうか。
少なくなってきたら澱の動きに注意しつつ注ぎます。

澱を少し入れてもワインの量を楽しみたいのか。

澱が入ってしまってはせっかくのワインが台無しになってしまうと考え、移し替えるのは澱が入らないところまでと、ギリギリのところで止めるのかは、家庭で澱引きを行う場合、自己判断となります。



デカンタージュはワインの澱を取り除く目的がありますが、ワインを開かせるといった目的で行うこともあります。長い間セラーで眠っていたワインの香りや味わいをより好ましい状態にもっていくのです。




さて、今回のシチュエーションでは2014年のワインを想定し、10年ほどの時を経ています。
多くのヴィンテージワインのテイスティングをしてきた経験から、実は10年ですとそれほど澱は確認できません。

それではどのようなワインに澱は多く出るのでしょうか。

澱が比較的多くみられるワインは、フランスの場合、ボルドー地方やコート・デュ・ローヌのワインなどです。カリフォルニアやオーストラリアのワインならば、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズなどの葡萄品種からつくられた赤ワインがあげられるでしょう。

20年以上の熟成を経た、オーストラリアのシラーズからつくられた古酒、このボトルの側面にびっしりと澱が付着していました。

この写真は、カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンをデキャンタージュした時のもの、かなりの澱が側面に見られますね。

一方、フランスのブルゴーニュワインにも澱が出ている場合がありますが、こちらはさらさらとした粉状のものが多いようです。

また、ワインのつくりの違いで澱の様子は異なります。
自然派ワインなど、瓶詰め前に濾過をしていないタイプにも、浮遊物をみつけることもあります。こちらは、白ワイン、赤ワイン、最近ではオレンジワインに澱が見られます。




本日も読んでいただきましてありがとうございました。
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