はじめに

金曜日になりました。
今週、頑張った人もそうでない人もお疲れ様です。
週末は、自分へのご褒美にちょっと良いワインを楽しみませんか。


気温が高い日が続いています、こんな季節は綺麗な酸味が心地よい赤ワインはいかがでしょうか。オーストリアのピノ・ノワールをご紹介してみたいと思います。



ゲオルギウム ピノ・ノワール 2017

ヴァイングート・ゲオルギウムはオーストリアのケルンテルン州、山々に囲まれたランゲ湖のほとり、ザンクト・ゲオルゲン・アム・レング村にあるワイナリーです。マルクス・グルツェとウタ・スラマニク夫妻は、2008年、この村で3haの畑を取得しビオディナミ農法でワイン造りを始めました。



ゲオルギウムがあるケルンテン州ってどんなところ?

ケルンテン州は、オーストリアの最南部に位置し、イタリアとスロヴェニアと国境を接しています。

この州は緑豊かで文化的な雰囲気が漂い、多くの美しい湖があります。例えば、ヴェルターゼー湖、オシアッハゼー湖、ミルシュテッターゼー湖、クロパイナーゼー湖など、水泳や水上スポーツが楽しめる湖が点在しています。


州の最北端にはオーストリア最高峰のグロースグロックナー山がそびえており、ノックベルク山岳道路からは美しいアルプスのパノラマが広がります。


ウィーンからクラーゲンフルト方面に列車に乗ると、175mの断崖の上に聳える、オーストリアでも最も有名な城の一つであるホッホオスターヴィッツ城が現れます。

州都のクラーゲンフルトは、バロックとユーゲントシュティールの建物が建ち並び、芸術や文化の薫り高い見どころの多い古都です。

イタリアに近い都市フィラッハと湖畔の町、オシアッハでは毎年「カリンシア夏の音楽祭」が開かれています。

ランズクロン城址では鷲の飛翔ショーが見られます。

その他、ケルンテン州は雄大な山並みを眺望する展望台が数多くあります。



ケルンテン州のワインについて

オーストリア・ワイン・マーケティング協会 HPより


現在、ケルンテン州(Kärnten)ではワイン生産の喜ばしい復活が注目されています。

14世紀から16世紀にかけてこの地のぶどう栽培は盛んでしたが、以降、気候が寒冷化し、ビール醸造へとシフトしました。しかし、近年の地球温暖化によって再び見直され、ワイン産業が急速に復活しつつあります。

近年、ブドウ栽培面積は約125ヘクタールにまで拡大しています。ケルンテン州のブドウ栽培の中心は、ランゲ湖とホホスターヴィッツ城周辺のザンクト・ヴェイト地区、ラヴァン渓谷、フェルトキルヒェン地区、クラーゲンフルト周辺です。

ここでは、ピノ系の白ワインが主流で、さらに、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、トラミナーが植えられており、ツヴァイゲルトやブラウアー・ブルグンダーもみられます。

ケルンテン州のワインは、この地域の観光に欠かせない飲料として位置づけられており、かなり有望な可能性を秘めています。



「ゲオルギウム」ワイナリーについて


シュタイヤーマルク西隣、ケルンテン州のランゲ湖のほとり、ザンクト・ゲオルゲン・アム・ランゲ村にヴァイングート・ゲオルギウム Weingut Georgium はあります。

ザンクト・ゲオルゲン・アム・ランゲ村は、シュタイヤーマルク州の州都であり、オーストリア第二の都市グラーツから、車を西南西に2時間走らせた山々に囲まれた場所です。

マルクス・グルツェとウタ・スラマニク夫妻は、2008年、この村で3haの畑を取得しワイン造りを始めました。万物に敬意をもって向き合える者だけが真の恩恵を得られる、というビオディナミの神秘的な精神性・考え方がとても好きで、ビオディナミ農法で畑・ブドウ造りを始めます。

「ワインはすでに畑で出来上がっている」という信念のもと、セラーの中ではその年のブドウの本質と自然な成長をただ見守ることに重きを置いています。

ヴィンテージが感じとれるピュアな味わい

夫妻は「畑とセラーでの正直な手仕事が最も真実でピュアな味わいへ導く」と考えており、テクニカルなワイン、贅沢なワイン、パワフルな果実味で彩られたワインは最初から目指していません。

目指しているのは、本物で持続可能な農業であり、そこからできる真のワインです。この言葉の意味を、我々は彼らのワインのテイストから毎ヴィンテージ感じ取れ、彼らの手仕事、進歩、発展をも感じ取れることができます。


2017年のピノ・ノワールは、高貴ではつらつとした美しい酸味が印象的、ヴィンテージの個性が感じとれるピュアな味わいが楽しめます。熟成感と明るさが両立していて生き生きとした果実味と長く続く余韻が見事です。ピノ・ノワールお好きな方にはぜひマストで試していただきたい逸品です。



ピノ系の品種と土地の個性

ぶどうは、シャルドネ、ピノブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワールというブルグンダー系品種(ピノ系品種)のみにフォーカスしています。

3haの畑の土壌は、砂礫とシスト(粘板岩)がベースとなっており表層の粘土土壌のいたるところには石灰の層が非常に多く通っています。この土壌が彼らのワインの特徴でもある集中したミネラルと塩気を与えてくれます。

畑は湖のほとりから山に向かった傾斜地にあり、その影響で繊細なミクロクリマを有し、湖からの風が畑の畝を通っていく為、常に循環された心地よい空気に満たされております。

夏は暖かくとても乾燥した気候で、秋の気候は昼と夜の寒暖差が非常に激しく、昼間はしっかり日照を得られ暖かいですが、夜にはとても冷えこみます。収穫前の最後の生育期にこの気候は特徴的なアロマとクオリティをうみ出すアドバンテージとなっています。

ブドウがしっかりと熟す10月中旬から例年収穫を始め、発酵終了後、ワインは瓶詰までに12 ~ 48 ヶ月間ゆっくりと落ち着かせ寝かせられます。

発酵は安定して始まり、ゆっくりとそして長く続きます。

セラーではワインに出来る限りストレスを与えないよう注意しており、人為的な介入を極力しないよう努めています。

「ワインは低温下で落ち着いて発酵し、液体が熟すまで、大樽の中で澱と共に12 ~ 48 ヶ月間その必要な時間をできるだけ長くゆっくりと旅をするんだ」といいます。


ワインは畑で出来上がっている

収穫~瓶詰め前までワインに一斉何も添加しませんし、濾過や清澄も一切しません。酸化防止剤は瓶詰め前のワインの個性をみて、必要だと感じた時のみ極少量添加します。毎年、わずか約7,000本が彼らの総生産量です。

「ワインはすでに畑で出来上がっている」という信念のもと、セラーの中ではその年のブドウの本質と自然な成長をただ見守ることに重きを置いています。

「僕らがつくるナチュラルワインは、いわゆるワイン愛好家の賛美や賞賛を求めていない。ただ純粋にワインが好きな人々の輝いた笑顔のためにある。僕らが立つテロワールとの絆を信じているように、そんな輝く笑顔の人々と僕らとの絆も信じているんだ。」と静かで深い視線をもって彼は僕らに語りかけます。

彼が纏ういわゆる〝気〟のようなものは、まさに求道者のそれであり、相対する者の背筋は自然とピンと伸びます。


テイスティングしてみました!

色合いは、淡い感じのガーネット色をしていて淵にオレンジが見えます。グラスを傾けて起こすとあしも見受けられます。

香りの立ち方はそれほど強くありません、グラスを回すと苺を煮詰めたようなジャム、コンフィのような甘酸っぱい香りが感じられます。ほのかに松茸やスパイスを思わせる香りも鼻の奥に抜けていきました。

口に含むとエレガントな果実味のあと、なんとも奇麗で上質な酸味が感じられ高貴な印象です。

例えようにも、オーストリアのピノ・ノワールの経験が少ないので難しいのですが、引き合いに出すなら、ブルゴーニュ、シャサーニュ・モンラッシェの赤が近い印象です。ランクは村名クラスからプルミエ・クリュくらい、ワインのつくりは極めて上質と云えましょう。

2017年のこのワインが今リリースされるというのは、「そろそろ飲みごろに入ってきましたよ」という、つくり手さんの意図もあるかと思います。

抜栓して30分くらいすると、最初は少し硬い印象だった果実味が開いてきて、1時間するとふわりと軽やかになり、酸味との一体感が出て来て良い感じです。全体的に渋みは柔らかくソフトです。余韻がとても長く奇麗に残ります。

またまた、素敵なワインに出会いました。

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。


ゲオルギウム ピノ・ノワール
750ml 税込 7,480円




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