はじめに

高級ワインというと、
「買って何年も寝かせるもの」
というイメージを持つ方も多いかもしれません。
確かに、
優れたワインの中には長い熟成によって真価を発揮するものがあります。
けれど、
ワインは保管することが目的ではありません。
飲むためにつくられたものです。
そして、
長い年月を経て、
「今、ちょうど美味しい」
という瞬間があります。
今回は、
ヴィンテージワインを販売していてよくいただく、
「飲み頃ワインとは何ですか?」
という質問についてお話ししてみたいと思います。
飲み頃ワインとは

飲み頃ワインとは、
ワインが持つ香りや味わいが調和し、
そのワイン本来の魅力を最も楽しめる時期を迎えたワインのことです。
若い頃は力強かった酸味やタンニンが落ち着き、
果実味と熟成香が溶け合う。
そんな状態を「飲み頃」と呼びます。
もちろん、
飲み頃は一日だけではありません。
数年、
時には十年以上にわたって続くこともあります。
ワインによって、
そのタイミングは大きく異なります。
高級ワインは若いうちから美味しいのか
高級ワインは、
発売された瞬間から高い評価を受けることがあります。
けれど、
高価なワインと、
飲み頃のワインは、
必ずしも同じではありません。
例えばボルドーやブルゴーニュの名門生産者のワイン。
若いうちは、
- タンニンが強い
- 酸味が目立つ
- 香りが閉じている
ことも少なくありません。
もちろん若い状態にも魅力はあります。
しかし、
本来の複雑さや奥行きを楽しむには、
時間が必要なワインも多いのです。
なぜ飲み頃が生まれるのか
ワインは、
時間によって変化する数少ない飲み物です。
熟成の過程で、
果実味
酸味
タンニン
香り
それぞれが少しずつ変化していきます。
若い頃には別々に感じられた要素が、
長い時間の中で一つにまとまっていく。
その結果、
紅茶やスパイス
森の落ち葉
ドライフルーツ
茸
時には葉巻や革製品を思わせるような
複雑な香りが生まれます。
飲み頃とは、
それらの要素が最も美しく調和した状態なのです。
飲み頃を見極める難しさ
実は、
飲み頃を予測することは簡単ではありません。
同じ生産者でも、
収穫年によって違います。
同じ収穫年でも、
保存状態によって違います。
さらに、
好みによっても変わります。
少し若々しい果実味が好きな人もいれば、
熟成香が十分に出た状態を好む人もいます。
そのため、
「2020年なら飲み頃」
というような単純な話ではありません。
飲み頃を見極めるには、
経験と知識、
そして実際にワインを味わってきた感覚が必要になります。
konishi1924が飲み頃ワインを扱う理由

若い高級ワインを購入して、
「いつ飲めば良いのだろう」
と悩んだ経験はないでしょうか。
私自身、
長年ワインに携わる中で、
「今、美味しい状態のワインを楽しみたい」
というお客様の声を数多く聞いてきました。
ワインを購入し、
セラーを用意し、
何年も待つ。
それも素晴らしい楽しみ方です。
けれど、
長い年月を経て、
今まさに飲み頃を迎えているワインを楽しむ。
それもまた、
ヴィンテージワインならではの贅沢だと思います。
konishi1924では、
そんな「今、美味しい」ワインをご紹介したいと考えています。
今、美味しいという価値
ヴィンテージワインの価値は、
古いことではありません。
高価なことでもありません。
今この瞬間に、
そのワインが最も魅力的な表情を見せていること。
そこにあります。
葡萄が育った季節。
生産者が仕込んだ時間。
セラーで静かに眠っていた年月。
その長い時間の先にある、
「今」。
飲み頃ワインとは、
そのワインが積み重ねてきた時間を味わうことなのかもしれません。