はじめに
カリフォルニアの「ナパ・ヴァレー」は銘醸地として、とても有名です。
ナパ・ヴァレーを代表する、また、象徴的な生産者といえば「ロバート・モンダヴィ・ワイナリー」。創設者のロバート・モンダヴィ氏は、ワインをアメリカ文化に浸透させようと情熱を持ってワイン造りに取り組みました、今では「カリフォルニアワインの父」といわれています。
さて、カリフォルニアワインにはロバート・モンダヴィ・ワイナリーような生産者の他に、すでに何かしらの成功をおさめ、資金力を持ってワイン生産を始めるワイナリーの存在もあります。
資金力がありますので、ワイナリーの設立時から高級ワインが生み出されます。
ここでは、最高品質のブドウを用意し、最高の醸造家やコンサルタントを招いて、コスト面での妥協することのないウルトラプレミアムなワインがつくり出されるのです。コストパフォーマンスという言葉は、ここには存在しません。
今回紹介する「ダリオッシュ」はそんなゴージャスなワイナリー、プレミアムワインの世界へようこそ!
ワインコレクターからワインプロデューサーへ
オーナーであるダリオッシュ氏(写真・右)はイランからカリフォルニアに移住してワインをつくる珍しい生産者です。(左はワインメーカーのスティーブ・デイヴィット氏)
イランでの彼の故郷はイスラム革命前まではワイン産地であり、父も趣味としてワインをつくっていたといいます。それを見て育ったダリオッシュ氏もワインについて造詣が深く、ワインコレクターとして有名でした。
ダリオッシュ氏は、1970年代にイランからカリフォルニアに移住しました。弟とロサンゼルスのスーパーマーケット事業を起こし大成功、30年の間に最も成功を収めた企業として広く知られています。
その資金をもって、長年の夢であったワインビジネスに進出、ワインプロデューサーになりました。コレクターであったほどのワイン好きですから、当然ながらつくるのはウルトラプレミアムワイン。
ダリオッシュ氏は、ウルトラプレミアムのワインを造るため、土壌、気候などを綿密に調査してナパのオーク・ノール、マウント・ヴィーダーなどに畑を購入、95エーカーの自社畑からとれた葡萄のみを使用して最高級のワインを造り出しています。
日本版リメイク映画「サイドウェイズ」で舞台の一つとしてワイナリーは登場、映画のストーリーのカギを握るワインとして描かれ日本でも広く知れ渡ることになりました。
2011年には、「ワイン・アドヴォケイト」「ワイン・スペクテーター」に並ぶ、「ワイン・エンスージアスト」でカベルネ、ボルドースタイル部門にてその年の世界最高得点97点に次ぐ96点を獲得しました。これは米国で最高得点も含め6本しか存在せず、CH.ラフィット、ラトゥール、ムートンなど5大シャトーと並び同一得点での評価となります。
翌年の2012年もナパ・ヴァレー産カベルネソーヴィニヨンの最高得点である95点を獲得するなど安定した高評価を獲得しています。
2016年にはトップキュヴェの「ダリウスⅡ」がワイン・アドヴォケイトより準パーフェクトの99点を獲得しました。
少し見にくくてすみません。
ナパ・ヴァレーの地図です、黄緑色の場所がダリオッシュのエステート畑となります。
NAPAと表示される上、右がオーク・ノール、左の赤い斜線(マヤカマス山脈)の横がマウント・ヴィーダです。それぞれの A.V.A.の特徴を下記に説明しています。
オーク・ノール ・ディストリクト・オブ・ナパ・ヴァレー Oak Knoll District of Napa Valley A.V.A.
海からの風と霧の影響があり比較的冷涼な気候が特徴の地域です。
詳しく解説しますと、海風と霧は、サンパブロ湾からヴァレーを北上、オーク・ノール地区を北側に位置するスタッグスリープ・ディストリクトの背後の切り立った斜面に沿って北西に進みます。そのため、オーク・ノール地区まではヴァレー中央部の中でも海からの影響が強く、比較的涼しい気候です。真夏の最高気温は33℃まで上がることもありますが、夜には10℃まで下がります。
標高は0~244m。北西部の土壌は小石まじりの火山性土壌で、南部、東部は小石の混ざった粘土質ローム層。
カベルネ・ソーヴィニョンが主体に生産されるA.V.A.です。
マウント・ヴィーダー Mount Veeder A.V.A.
ナパ・ヴァレーでも西のマヤカマス山脈ににあるA.V.A.で、標高152~792m。ナパ・ヴァレー南端のカーネロス地区に隣接し、サンパブロ湾からの冷たい風の影響を受けます。
ぶどう畑のほとんどが霧の流れる線より高い位置にあり、平地よりは涼しく、夜間は比較的暖かくなります。
真夏でも最高気温は29℃位でぶどう生育期が長いのが特徴。斜度が30度に達する、傾斜の強い畑が多く、非常に日照量が多く、水はけがよいのが特徴です。
土壌は、古代の海底が隆起した堆積土で、水はけのよい砂または砂混じりのローム質です。
主な栽培品詞は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ジンファンデル、シャルドネなど。
ー カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー
ダリオッシュのシグネチャー カベルネ・ソーヴィニョンは奥深いアロマ、味わいを持ち涼しい気候でつくられたボルドースタイルにインスパイアされた赤ワインです。
ナパの中でも涼しい気候のオーク・ノールと、マウント・ヴィーダの岩がごつごつした火山性の土壌の傾斜のある自社畑でつくられたぶどうでつくられています。自社の畑は、行き届いた手入れが細部にまでほどこされ、素晴らしい品質のぶどうを生み出します。
ボルドーワインをインスパイアした、ダリオッシュ独自のスタイルは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体(75%以上)にメルロー、マルベック、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドをブランド、トロンセ産など著名な産地のフレンチオーク(新樽85%)で22カ月樽熟成しています。
ダリオッシュ シグネチャー カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2003
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ダリオッシュ シグネチャー カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2006
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ー ダリウスⅡ
ダリオッシュ・エステートのまさに最高峰、至宝の「ダリウス II 」はいくつもの樽の中から手作業によりこの上なく美しく純粋にその特性が現れた樽のワインを選んだものになります。
そのヴィンテージならではの最高のワインを造る事を目指して造られています。妥協することなく複雑味があり上品で優美な味わいを追求して造るまさにダリオッシュのスタイルを体現したワインです。
2005年のダリウスⅡのブレンドは、カベルネ・ソーヴィニヨン84%、メルロ8%、マルベック8
ロバート・パーカーのワイン・アドヴォケイトで93ポイントを獲得!
「トップキュヴェである2005年カベルネ・ソーヴィニヨン・ダリウスII は、カベルネ・ソーヴィニヨン84%、メルロー8%、マルベック8%(こちらも天然アルコール14.8%)のブレンドです。 野生の花、ブラックカラント、ブラックラズベリー、マウンテンベリーの印象的な香りの後に、より豊かで広がりのある、より豊かなワインが続き、深みと芳醇さが増します。 これは明らかに最高のセレクションであり、ラベルによると、わずか 18 樽しか製造されませんでした。 これは美しく、私がダリオッシュで味わった最高のカベルネの 1 つです。」
ダリオッシュ ダリウスⅡ カベルネ・ソービニヨン ナパ・ヴァレー 2005
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おわりに
今回は、2003年から2006のkonishi1924 らしくダリオッシュのヴィンテージワインをが紹介しております。ワインメーカーはスティーブ・デイヴィッド氏です。
近年リリースされたワインは、スティーブ・デイヴィットの元でアシスタント・ワインメーカーを務めていたはホープ・ゴールディ女史によるもの。カベルネ・ソーヴィニョンの比率が高く、98~100%の単一スタイルです。ご紹介しているようなボルドースタイルのワインは「レッド」として別にリリースされています。
比べてみるのも面白いですね。
ゲストセンターは見事なペルシャ様式の宮殿のようです。壁には実際紀元前に建てられた宮殿に使われたものを使用しているそう。
美しく豪華を極めたテースティングルームで試飲するワインはまた格別なのだとか。
本日も読んでいただきましてありがとうございました。
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