暑さ寒さも彼岸まで・・・、とは本当によく言ったもの。

幼い頃、両親は家の商売で忙しく、祖母が面倒をみてくれていた。
冬の終わり、「寒いのはいつまで続くのぉー」と文句を言うと、お彼岸までもう少しだから我慢だよとたしなめてくれたっけ。
何故か祖母に言われると納得できたから不思議だ、そして、お彼岸が過ぎると確かに暖かくなっていた。

この時期になると、会社の中では人の移動が始まる…、会社を辞める人、入社する人、部署が変わる人、色々だ。

移動の季節を前にkonishi1924 には毎年、「お世話になったのでワインを贈りたい」といくつかのリクエストが届く、今年もお蔭さまでいただいた。

贈り先の方はブルゴーニュワインがお好きということで、予算を含め検討、何度かのメールと電話を経て選ばせていただいたワインがこちら。

ラ・メゾン・ロマネ
ジュヴレ・シャンベルタン
ラ・ジャスティス 2012

フランス・ブルゴーニュ地方の赤ワイン。
ジュヴレ・シャンベルタンはこの地方の村の名前。
なかなか面白い由来のある村でして



そのむかし・・・

13世紀の頃、「クロ・ド・ベーズ」というベーズ修道院の畑でつくられ、このワインはとても有名になった。

有名になるとマネする人、あやかろうとする人が出てくるのは今も昔も変わらないようで、噂を聞きつけた地元のベルタンという農夫が、隣の畑にブドウ樹を植えた。

そして、高品質なワインをつくるのに成功、クロ・ド・ベーズに続き「ベルタンの畑」も有名に、フランス語では「シャン・ド・ベルタン」と呼ばれた。
その後、歴史の中で呼びやすく変化をとげ、今の「シャンベルタン」に落ち着いたよう。

18世紀に飛んで、英雄ナポレオンはロシア遠征に「シャンベルタン」を運ばせたというのは有名な話。皇帝が愛飲したことから「王のワイン」とも呼ばれ、その名声は不動のものとなりましたとさ。

1848年には当時ジュヴレという村だったのを、有名なシャンベルタンの畑にあやかり「ジュヴレ、シャンベルタン村」に改名したという史実も。

さて、本題のワインに戻り、
村名の下に表記されている「ラ・ジュスティス、」ジュヴレ・シャンベルタン村の中で最高の区画、格付けはされていませんがワインは素晴らしいもの。

少し前にテイスティングしたコメントから美味しさを伝えさせてもらいたい。

色は濃い目の赤、淵にオレンジが見えます、ブルゴーニュのワインとしては色調が濃く、少し濁っています、瓶詰の前に濾過も清澄もしないという、作りてのポリシーの現れですね。


コルクを抜いて、グラスに注ぐと同時にふわりとスミレの砂糖漬けを思わせる心地よく甘い香りが広がります。続いて甘酸っぱい香り、とても複雑で奥行きがあります。赤い花を中心にしたドライフラワー、フレッシュで濃密な花束を思わせるしっとりとしたニュアンスも感じられます。バルサミコ、白胡椒、ドライイチジク、少しお香を思わせる香りもあるようです。


全く個人的で表現し難いのですが、とてもつくりのよいブルゴーニュのワインを飲んだ時に感じられるふくよかで広がりがある官能的な”あの”香りがありました。

口に含むと、心地よい酸味が最初に感じられます。すっぱいというものではなく、ワインに上品さと高貴さを与えるもの、果実味は複雑で豊か、その豊かさは力強さにも繋がるもので、この土地のもつ個性がしっかりと感じられました。


口に空気を入れ転がすとなめし皮を思わせる風味が、また、赤い熟した果実の風味もたっぷりと出てきます。これは、リキュールのようなアルコールの高いものではなく、甘ったるい果実味でもありません、洗練された品のよい果実味です。ふくよかな中に透明感のある果実味とそれを高めるような酸味ほのかに若ささえ感じさせるタンニン分が高い位置でまとまっています。


スケールの大きなワインです、つくられて12年の時間がたっていますが、あと10年は間違いなく良い方に熟成し続けるでしょう。ブルゴーニュワインの美味しさが間違いなく楽しめるスケールの大きなワインです。


「お世話になりました!」の感謝の気持ち、きっとうまく伝わるはず。



※ ワインのコメントは十人十色、味わいの感じ方は人により異なりますのであくまでも参考程度にご覧ください。

ご紹介しましたワインは ↓ こちらから購入可能です。
ラ・メゾン・ロマネ ジュヴレ・シャンベルタン ラ・ジャスティス 2012




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