カリフォルニアワインのぶどう品種 - 赤ワイン編


カリフォルニアワインのぶどう品種 - 赤ワイン編

赤ワインは、収穫した黒ブドウを破砕し、果汁と果皮と種が混ざった状態でタンクに入れ、5~15日かけてアルコール発酵させてつくられます。


ーカベルネ・ソーヴィニヨン

フランス、ボルドー地方原産、世界で最も広く栽培されている品種のひとつです。

赤ワイン用ぶどう品種のの王様ともいわれ、 小粒で果皮が厚く、種が大きい のが特徴です。 温度変化や病害への適応力が高いため世界で広く栽培されています。

この品種は、つくり方次第でカリフォルニアを代表するような、極めて高品質で賞賛を浴びるワインを生み出すことが可能です。また、ボルドー地方のように他の品種とブレンドすることも少なくありません。銘柄により長期熟成型のワインとして仕上げられることがあり、熟成可能性は、10~20年に及ぶこともありますが、通常は5~9年程度で、発売と同時に楽しめるものも多くみられます。

カリフォルニア大学デイヴィス校で実施されたDNA遺伝子指紋鑑定の結果、カベルネ・ソーヴィニヨンは、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの交配品種であることがわかりました。

カリフォルニアでは、ノースコーストのナパ・ヴァレー、セントラルコーストのサン・ルイス・オビスポ、セントラル・ヴァレーのローダイなどで多く栽培されています。

カベルネ・ソーヴィニヨンは果皮が厚く、ワインの色合いは濃いものとなります。香りや味わいに、ベリーやスグリ、カシスなどのような黒系の果実、樽熟成を経たワインも多く、この場合トーストのようなオークの香りと風味が感じられます。タンニンが豊富なのも大きな特徴です。



ーメルロー

ボルドー地方原産で、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールと並び人気があるぶどう品種、カリフォルニアには19世紀半ばにもたらされました。

歴史的には、ワイン生産者はメルロをブレンド用の品種として使用してきました、目的は、カベルネ・ソーヴィニヨンに混ぜてそのワインを柔らかくすることです。メルローのタンニンはカベルネ・ソーヴィニヨンほど力強くありません。しかし、今日では、主に品種名を表示するワインに成長し人気を博しています。

粒の大きさは中程度、大きめの房をもちます。水分の多い土壌を好みますが、気候や土壌に寛容で世界中で広く栽培されています。

ワインの色合いは、濃いルビーレッドからガーネットに近いもが多く、香りはレッドチェリーやプラム、プルーン、チョコレートやヴァニラの要素が感じ取れることもあります。きめ細やかなタンニン、酸味もほどよく、なめらかな丸みのある味わいが特徴です。

ノースコーストのナパ・ヴァレーやソノマ、セントラル・コーストのサンタクルーズ・マウンテンやモントレー南部、セントラル・ヴァレーのローダイやサン・ホワキンで多く栽培されています。



ーピノ・ノワール

フランス、ブルゴーニュ地方原産、ワインはこの品種単体で生み出され

ピノ・ノワールは気むずかしく、とらえどころがなく栽培するのが困難なぶどうです。それでも多くのワイン生産者たちが、この品種に挑戦しているのは、出来上がったワインがその大変さを補ってあまりある歓びを与えてくれることがあるからでしょう。その筆頭がかの「ロマネ・コンティ」です。

この高貴な赤ワイン用品種は、太古の昔から栽培されていて、紀元100年にローマ人の記した文献に記載されていますし、フランスのブルゴーニュ地方では、4世紀という早い時期に栽培が始まっています。

ピノ・ノワールは遺伝的変異を起こしやすく、クローンの数がほかのどの品種よりも多いぶどうです。カリフォルニア大学デイヴィス校には、約100種、ピノ・ノワールのクローンが登録されています。この品種は冷涼な栽培地域に向いており、卓越した色と風味が感じられる秀逸なワインが生み出されます。

かつては「ブルゴーニュ以外では栽培できない」と言われていましたが、近年ではアメリカ・カリフォルニアやニュージーランドでの成功をきっかけに、世界中で栽培される国際的な品種の一つとなりました。

粒は大きめで、皮が比較的薄いのが特徴、ワインの色合いは赤を中心にした比較的淡いものとなります。香りや味わいに、ラズベリーやスストロベリー、チェリーのような赤系の果実、時に薔薇の花やキノコ風味も感じられます。タンニンが柔らかいのも大きな特徴です。

カリフォルニアでは ノース・コーストのロシアン・リヴァー・ヴァレー、セントラル・コーストのモントレー北部やサンタバーバラで多く栽培されています。



ージンファンデル

1820年代にオーストリアから東海岸へ持ち込まれ、ゴールドラッシュのさなかにカリフォルニアでも栽培されるようになりました。

新天地アメリカで花開いたジンファンデルですが、その起源については近年まで謎に包まれ、1世紀以上も「カリフォルニア原産」とみなされていました。ところが21世紀になるとDNA指紋鑑定によって、イタリアのプリミティーヴォと、クロアチアの古代品種であるツールイェナック・カステランスキーが、遺伝子的にジンファンデルと同一であることが判明しました。

しかしながら、樹勢や房の大きさの違いが、ジンファンデル、プリミティーヴォ、ツールイェナック・カステランスキーに見られます。
さらに、栽培方法、テロワール、醸造方法の差が加わって、現在では、カリフォルニアのジンファンデルには特有の風味特徴が生まれています。

粒の大きさは中程度、果皮が薄いながら色が濃い のが特徴です。ワインの色合いは淡いものから濃いものもで様々、1粒ずつの成熟にばらつきがあるため、粒によっては他の品種と比べ高い糖度があり、アルコール度数の高いワインが生まれることも、甘口のデザートワインに仕上がったワインも見かけます。

ブラックベリー、ラズベリー、ボイゼンベリー、チェリーのほか、黒コショウ、クローヴ、アニス、ハーブなどの風味が感じられ、果実味と程よい酸味が特徴の軽い味わいのものから、カベルネ・ソーヴィニヨンと間違える濃厚なスタイルのワインまで色々です。

カリフォルニア全体で多く栽培されていますが、セントラル・ヴァレーのサクラメント、シエラ・フットヒルズで多く栽培されています。

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