「ヴィンテージワイン、美味しいの? まずいの?」
ヴィンテージワインを販売していることから良く聞かれる質問です。
実のところどうなのでしょう・・・

過去のワイン会から、参考になる例を挙げてみます。

ワイン会は二ケ月に一度、十年間ほど行っていました。
LSK WINE CLUB という会を設けて、会員の方に参加いただいていたワイン会です。
一般の方、30代~40代の方が中心、ワインを嗜む、ワインに興味があるくらいの方が多く、比較的気軽な会でした。現在のようなワイン好きの人が集まる「ワイン会」とは一線を引く内容です。

このワイン会で二度、かなり貴重なヴィンテージワインを味わってもらったことがあります。

・ボデガス・ベルベラーナ リオハ グラン・リゼルバ 1950
・シヴィ―ル バニュルス グラン・クリュ 1947

この二点は異なるワイン会で出しました。

リオハの赤ワインは状態もよく、枯れた印象ですが、果実味も残っており充分に満足を得られる品質でした。
バニュルスは南フランスの甘口の赤ワインです。こちらはまだまだ元気で満足度も高く、参加者の方にも好評でした。

参加者は前述の通り一般の方です、味わいについてディスカッションするのではなく、好みを聞くスタイルを取っていました。
「美味しい」、「まあまあ」、「苦手」と聞いて参加者に手を挙げてもらっていました。

大変貴重なかなりの古酒、市場でもあまりまかけません。
それでは、「美味しい」に多くの人が手を上げがのでしょうか。

リオハのワインには「まあまあ」の意見が多く、バニュルスには「美味しい」と感じる人が多くいました。参加者は30名強でしたが、「苦手」→「まずい」に手を挙げた人がどちらのワインにも3~5名ほどいました。

苦手、まずい、と感じたのはなぜでしょう。


話は飛んで、「まずい」とはどういうことなのか、辞書を引いてみました。類語、言い換え、同義語が下記のように記されていました。

1. 質または性能において平均を下回る
不良, へぼ, 下手糞, こっ酷い, 下手 など

2. 感覚的に不快な
不細工,醜, みにくい, 見ぐるしい, 不器量 など

3. 表現が上品でない、または優雅ではない
不得意, ぎごちない, ぶきっちょ, つたない 不得手 など

4. 技術または適性の欠如を示すさま
不手際, ぎごちない, 無器用, ぎこちない, 非力 など

5. 望ましくない、または否定的な品質の
良からぬ, 悪い など


さて、本題にもどります。

次のワイン会に向けて参考にしたいからと「苦手・まずい」と感じた人に簡単に意見を聞いてみました。

「香りが苦手」、「いつも飲んでいるワインと何か違った」、「甘いワインは好きではない」
などの意見を聞けました。

上記の辞書から引用した言葉をあてはめてみると実に納得です。
「香りが苦手」→ 2,3,5 が該当
「いつも飲んでいるワインと何か違った」→ 1,4 が該当
「甘いワインは好きではない」→ 2,5 が該当

熟成したワインには時に「獣臭」や「醤油」を思わせる香りが出ます、苦手と感じ、まずいにつながったのでしょう。
日常から古酒を楽しむ人は多くありません、いつもは若のみスタイル、年号の新しいワインを楽しんでいる人は、古酒に違和感を覚えるのは当たり前です。
ワインに甘さを期待しない人にとって、甘いワインは5番の望ましくない味わい、否定的な品質のワインに該当するようです。

以上のように、ワインを飲む人や経験により、好みや違和感が出ても不思議ではないのです。
アンケートには「想像していた味と違った」という意見もありました。
「熟成したワインは美味しい」、「熟成させると美味しい」、これは好みによるところが大きいようです。

ヴィンテージワインは、味わいも複雑、個性豊か、価格は安くありません。好みに合わないと期待にそぐわずがっかりすることに。「まずい」と感じるワインではなく、「好みにあったワイン」を選びたいとこと。

専門的な知識があれば問題ありませんが、一般の人であれば、専門家に相談することをおすすめします。恥ずかしいと思わず、ソムリエに聞くのが「まずい、苦手」なヴィンテージワインを手にしないヒントかと思います。





本日も読んでいただきましてありがとうございました。
ポチっといただけると助かります 。

にほんブログ村 酒ブログ ソムリエへ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログへ
にほんブログ村