
- 1 知っておきたい基本と、おいしい一本の選び方
- 1.1 ある一杯との出会いから
- 1.2 そもそも、ナチュラルワインとは?
- 1.3 「オーガニックワイン」と「ナチュラルワイン」は同じ?
- 1.4 「オーガニック」と「ビオロジック」は違うの?
- 1.5 「ヴァン・メトード・ナチュール」という基準もあります
- 1.6 ナチュラルワインは「濁っているワイン」?
- 1.7 SO2無添加なら、ナチュラルワイン?
- 1.8 造り方を知る。そして最後は、味わいで選ぶ。
- 1.9 初めてのナチュラルワイン、どう選ぶ?
- 1.10 初めての方におすすめしたい3本
- 1.11 料理と一緒なら、もっと気軽に
- 1.12 まずは、自分の好きな味わいから。
- 1.13 料理と一緒なら、もっと気軽に
- 1.14 造り方を知る。そして最後は、味わいで選ぶ。
- 2 まとめ
知っておきたい基本と、おいしい一本の選び方
「ナチュラルワインって、普通のワインと何が違うの?」
「自然派、オーガニック、ビオディナミ……いろいろな言葉があって、よく分からない」
初めて選ぶとき、そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
難しく考える必要はありません。
ナチュラルワインを知る第一歩は、まず「どんな考え方でブドウを育て、どんな考え方でワインにしているのか」を知ること。
そして最後に大切なのは、自分がおいしいと思える一本を選ぶことです。
このページでは、ナチュラルワインを初めて飲む方にも分かりやすいよう、基本から選び方までご紹介します。
ある一杯との出会いから

ある日、友人の家に招かれて、グラスに注がれたワイン。
少し曇りのある色合いで、香りをとると、レモンやハーブ、熟した果実のような香りがします。
「これ、ナチュラルワインなんだよ」
そう言われて口にすると、これまで飲んできたワインとは少し違う。
果実の味わいが近くに感じられたり、酸が生き生きとしていたり、どこか素朴な表情があったり。
こんな一杯との出会いをきっかけに、ナチュラルワインに興味を持つ人もいるでしょう。
ただし、すべてのナチュラルワインが濁っているわけでも、独特な香りがするわけでもありません。
驚くほど透明感があり、端正で美しい味わいのワインもあります。
ナチュラルワインには、ひとつの「味の型」があるわけではないのです。
そもそも、ナチュラルワインとは?
実は、「ナチュラルワイン」という言葉には、世界共通の厳密な定義があるわけではありません。
自然派ワイン、ヴァン・ナチュールなど、さまざまな呼び方が使われています。
ただ、多くの造り手に共通しているのは、
畑でも醸造でも、できるだけ人為的な介入を少なくし、ブドウそのものの個性をワインに表現しようとする考え方です。
大きく分けると、「栽培」と「醸造」の二つから考えると分かりやすくなります。

畑では
化学的に合成された農薬や除草剤などにできるだけ頼らず、土壌や畑の生態系を大切にしながらブドウを育てます。
有機栽培やビオディナミ農法を取り入れている造り手も少なくありません。
醸造では
ブドウに付着している酵母や醸造所に棲む酵母による自然な発酵を大切にし、添加物や過度な加工をできるだけ避けます。
酸化防止剤(亜硫酸=SO2)についても、まったく加えない造り手もいれば、ワインを安定させるために必要最小限だけ使用する造り手もいます。
つまりナチュラルワインは、
「何もしないワイン」というより、必要以上に手を加えず、ブドウが持っているものを生かそうとするワイン
と考えると分かりやすいでしょう。
「オーガニックワイン」と「ナチュラルワイン」は同じ?
ここは、初めての方が特に迷いやすいところです。
オーガニックワインとナチュラルワインは、重なる部分がありますが、同じ意味ではありません。
オーガニックワインには認証や規定があります。
たとえばEUのオーガニックワインでは、有機栽培されたブドウを使うことに加え、醸造についても使用できる物質や技術、亜硫酸量などに一定の規則が設けられています。
一方、「ナチュラルワイン」は、さらに醸造時の介入を少なくしようと考える造り手が多いのが特徴です。
簡単に整理すると、
オーガニックは「決められた基準に沿った栽培・醸造」
ナチュラルワインは「できるだけ介入を減らしてワインを造ろうとする考え方」
と捉えると理解しやすいでしょう。
「オーガニック」と「ビオロジック」は違うの?
ワインを探していると、「オーガニック」「ビオロジック」という言葉を見かけます。
Organic(オーガニック)は英語、Biologique(ビオロジック)はフランス語で、どちらも「有機」を意味します。
そのため、基本的な考え方は同じです。
ただし、実際の商品で「オーガニック」と表示する場合には、それぞれの国や地域、認証制度によって基準があります。
「農薬を一切使わない」という意味ではありません。
自然由来のものを含め、認められた資材を使用する場合もあります。
大切なのは、「オーガニック=何もしない農業」ではなく、一定の基準に基づいて環境や土壌に配慮した農業を行っているということです。
ビオディナミとは?
もう一つ、ナチュラルワインの世界でよく耳にするのが「ビオディナミ」です。
ビオディナミ農法の原点は、1924年にルドルフ・シュタイナーが行った農業についての講演にあります。
畑を単なるブドウの生産場所ではなく、土壌、植物、動物、人間などが関係し合うひとつの生命体のように捉える考え方が特徴です。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、初めてワインを選ぶときにすべてを理解する必要はありません。
「畑の環境そのものを健全に保ちながら、ブドウを育てようとする農法のひとつ」
くらいから知っておけば十分でしょう。
ビオディナミについて詳しく知りたい方
→ ビオディナミワインとは?
ビオディナミを実践する造り手のひとりが、アルザスのクリスチャン・ビネールです。
→ クリスチャン・ビネール|自然な造りと美しい味わい
「ヴァン・メトード・ナチュール」という基準もあります
「ナチュラルワインには定義がない」といわれる一方で、フランスでは「Vin Méthode Nature(ヴァン・メトード・ナチュール)」という明確な基準も生まれています。
認証された有機栽培のブドウを100%使用すること、手摘みで収穫すること、自然に存在する酵母で発酵させること、醸造添加物を使用しないことなど、具体的なルールが定められています。
SO2についても厳しい基準があります。
これはすべてのナチュラルワインに適用されるルールではありませんが、
「ナチュラルとは何か」をより明確にしようとする動きも始まっている
ということを知っておくとよいでしょう。
ナチュラルワインは「濁っているワイン」?
ナチュラルワインというと、
「少し濁っている」
「独特の香りがする」
「ちょっとクセがある」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
確かに、濾過を控えたり、澱を残したりすることで、少し濁りのあるワインもあります。
しかし、濁っているからナチュラルワイン、澄んでいるから普通のワイン、というわけではありません。
透明感があり、繊細で、非常に端正な味わいのナチュラルワインもたくさんあります。
逆に、「自然に造っているのだから、どんな香りや味でもよい」というわけでもないと私たちは考えています。
大切なのは造り方だけではなく、
グラスに注いだときに、そのワインがおいしいかどうか。
ここは、ナチュラルワインを選ぶうえでとても大切なポイントです。
SO2無添加なら、ナチュラルワイン?
これもよくある誤解です。
SO2(亜硫酸)は、ワインを酸化や微生物による変質から守るため、古くから使われてきました。
ナチュラルワインの造り手にはSO2をまったく加えない人もいますが、ごく少量だけ使用する人もいます。
反対に、SO2を添加していないという一点だけで、そのワインがナチュラルワインになるわけでもありません。
ブドウがどのように栽培されているのか。
どのように発酵させているのか。
どの程度の介入を行っているのか。
そうした畑からボトルまでの一連の考え方を見ることが大切です。
造り方を知る。そして最後は、味わいで選ぶ。
ナチュラルワインを知ると、どうしても、
有機栽培なのか。
ビオディナミなのか。
SO2は使っているのか。
野生酵母なのか。
という「造り方」に目が向きます。
もちろん、それらは造り手を知るための大切な情報です。
けれど、ワインは最終的には飲むもの。
グラスに注いだときの香り。
口に含んだときの果実味。
それを支える酸や旨味。
料理と合わせたときの楽しさ。
そして、もう一杯飲みたいと思えるかどうか。
自然な造りであることと、おいしいこと。
konishi1924では、「造り方だけではなく、味わいで選ぶナチュラルワイン」として、アルザス、ロワール、南フランスを中心にご紹介しています。
その両方が重なったところに、ナチュラルワインの魅力があるとkonishi1924では考えています。
だから、初めての一本も、「ナチュラルワインらしいもの」を探す必要はありません。
いつも自分が楽しんでいるワインを思い浮かべながら、好きな味わいから選んでみてください。
▶ 造り方だけではなく、味わいで選ぶナチュラルワイン
初めてのナチュラルワイン、どう選ぶ?
「ナチュラルワインについては、なんとなく分かった。でも、実際にはどれを選べばいいの?」
そう思われるかもしれません。
初めてなら、難しく考える必要はありません。
すっきりとした白ワインが好き。
少し冷やした軽やかなワインが好き。
ピノ・ノワールのような繊細な赤が好き。
普段自分が「おいしい」と感じているところから考えてみればよいのです。
例えば、すっきりした白が好きなら、酸の美しい辛口白。
軽やかに楽しみたいなら、少し冷やして飲めるロゼ。
ピノ・ノワールが好きなら、果実味と酸がきれいに調和した赤。
少し新しい味わいを試してみたいなら、果皮と一緒に醸したオレンジワインという選択肢もあります。
「ナチュラルワインだから選ぶ」のではなく、「自分が好きそうな味わいのワインを探したら、ナチュラルな造りだった」。
最初は、そのくらいの入り方でよいと思います。
白・ロゼ・赤から選んでみる
今回は、初めてナチュラルワインを飲む方に向けて、白・ロゼ・赤から一本ずつ選びました。
いずれも、単に「自然な造りだから」という理由で選んだワインではありません。
果実味、酸、旨味のバランスが美しく、飲んで素直においしいと思えること。
konishi1924がナチュラルワインを選ぶときに大切にしている基準から選んだ3本です。
初めての方におすすめしたい3本
まずは白から
ブルノ・デュシェン ラ・ルナ・ブラン 2025
フランス最南部、スペインとの国境に近いルーション地方で、ブルノ・デュシェンが造る白ワインです。
2025年のフランスは暑さの厳しい年となりました。
ラ・ルナ・ブランも早めに収穫したにもかかわらず、アルコール度数は13.6%。パイナップルやリンゴのジュースを思わせる風味があり、例年に比べてボリューム感のある、ほのかな甘さを残したジューシーな味わいに仕上がっています。フランス最南部、スペインとの国境に近いルーション地方で、ブルノ・デュシェンが造る白ワインです。
軽やかに楽しむならロゼ
ブルノ・デュシェン ラ・ルナ・ロゼ 2025
南フランス、バニュルスでブルノ・デュシェンが造るロゼワイン。シラー、ムールヴェードル、樹齢100年のサンソーをブレンドしています。
グアバやグレープフルーツ、ラズベリーを思わせる華やかな香り。2025年は暑さの影響からブドウの成熟が進み、例年よりアルコール度数の高いヴィンテージとなりました。
それでも重さを感じさせず、瑞々しい果実味と爽やかな酸が印象的。南フランスらしい果実の豊かさがありながら、軽やかで綺麗な味わいを楽しめます。
赤ワインが好きなら
クリスチャン・ビネール ピノ・ノワール 2023
フランス・アルザス地方で、クリスチャン・ビネールが造るピノ・ノワールです。
冷涼な気候のなかで育つピノ・ノワールは、果実味だけを前面に押し出すのではなく、きれいな酸を持った、軽やかで透明感のある味わいが魅力。ビネールのピノ・ノワールにも、そんなアルザスらしさがあります。
そこに、自然な造りから生まれる旨味や奥行きが重なり、軽やかでありながら、味わいにはしっかりとした深みを感じさせる赤ワインに仕上がっています。
料理と一緒なら、もっと気軽に
ナチュラルワインを初めて楽しむなら、ワインだけで向き合うより、いつもの料理と一緒に開けてみるのもおすすめです。
白ワインなら、旬の野菜や魚料理、チーズなど。
ロゼなら、前菜や魚料理はもちろん、鶏肉や豚肉などにも合わせやすく、白と赤の間を行き来するような自由さがあります。
軽やかな赤なら、鶏肉や豚肉、きのこ料理など。
オレンジワインなら、スパイスを使った料理や、少し複雑な味付けの料理にも合わせてみてください。
「ナチュラルワインだから、特別な料理を用意しなくては」と考える必要はありません。
いつもの食卓で、いつもの料理と一緒に。
そのくらい気軽な方が、ワインそのものの魅力も見つけやすいと思います。
そして最初は、ラベルのデザインに惹かれて選んでみるのもひとつの楽しみ方です。
ラベルから始まった出会いが、
「このワイン、おいしかった」
から、
「この造り手のワインを、もう一度飲んでみたい」
へ変わっていく。
そこから産地やブドウ品種、造り手へ興味が広がっていくと、ナチュラルワイン選びはさらに面白くなります。
まずは、自分の好きな味わいから。
ナチュラルワインには、さまざまな考え方や造り方があります。
オーガニック、ビオディナミ、自然酵母、SO2無添加。
知っていくと、ワインの背景が見えてくる面白さがあります。
でも、最初からすべてを理解する必要はありません。
白ワインが好きなら、白から。
軽やかなワインが好きなら、ロゼから。
ピノ・ノワールが好きなら、赤から。
自分が好きな味わいの延長線上から、一本を選んでみる。
そして、その一本がおいしかったら、造り手について少し調べてみる。
どんな土地でブドウを育てているのか。
どんな考え方でワインを造っているのか。
そうして少しずつ知っていくのも、ナチュラルワインの楽しみ方のひとつです。
造り方だけではなく、味わいで選ぶ。
まずは、自分がおいしいと思える一本から、ナチュラルワインを楽しんでみてください。初めてなら、どんなナチュラルワインを選ぶ?
初めての一本だからといって、「いかにもナチュラル」という個性的なワインから始める必要はありません。
むしろ、普段好きなワインから考えてみるのがおすすめです。
すっきりした白ワインが好きなら、リースリングやシュナン・ブランなど、酸の美しい辛口白。
ピノ・ノワールが好きなら、果実味と酸がきれいに調和した軽やかな赤。
少し新しい味わいを試してみたいなら、果皮と一緒に醸したオレンジワイン。
果実味のある赤が好きなら、グルナッシュやガメイなどから探してみるのもよいでしょう。
「ナチュラルワインだから選ぶ」のではなく、「自分が好きそうな味わいのワインを探したら、ナチュラルな造りだった」。
最初は、そのくらいの入り方でもよいと思います。
料理と一緒なら、もっと気軽に
ナチュラルワインは、日常の食卓にもよく似合います。
白ワインなら、旬の野菜や魚料理、チーズなど。
軽やかな赤なら、鶏肉や豚肉、きのこ料理など。
オレンジワインなら、スパイスを使った料理や少し複雑な味付けの料理にも合わせやすいでしょう。
ラベルのデザインに惹かれて選んでみるのも、ナチュラルワインならではの楽しさです。
ただ、ラベルから始まった出会いが、
「この造り手のワインを、もう一度飲んでみたい」
に変わっていくと、ワイン選びはさらに面白くなります。
造り方を知る。そして最後は、味わいで選ぶ。
ナチュラルワインを知ると、どうしても、
有機栽培なのか。
ビオディナミなのか。
SO2は使っているのか。
野生酵母なのか。
という「造り方」に目が向きます。
もちろん、それらは大切なことです。
けれど、ワインは最終的には飲むもの。
グラスに注いだときの香り。
口に含んだときの果実味。
酸の美しさ。
料理と合わせたときの楽しさ。
そして、もう一杯飲みたいと思えるかどうか。
自然な造りであることと、おいしいこと。
その両方が重なったとき、ナチュラルワインの本当の魅力が見えてくるのではないでしょうか。
まとめ
難しく考えず、まずは一本から。
ナチュラルワインは、特別な知識がなければ楽しめないワインではありません。
オーガニック、ビオディナミ、自然酵母、SO2無添加――。
言葉を知っていくことも面白いのですが、それ以上に大切なのは、
「これはおいしい」と思える一本に出会うこと。
その一本から造り手を知り、畑を知り、産地を知っていく。
そんな順番でもよいのです。
ナチュラルワインを初めて選ぶ方には、まず自分の好きな味わいから探してみることをおすすめします。
自然な造りの先にある、きれいな味わい。
そこから、ナチュラルワインの世界を楽しんでみてください。